研究課題
1. 咽頭からの淋菌臨床分離株の収集 本研究協力施設の泌尿器科および婦人科を受診し同意が得られた淋菌咽頭感染患者および淋菌咽頭感染high risk患者(尿道炎、子宮頸管炎あるいは他のSTI患者やCSW)より咽頭スワブをシードスワブ2号で採取した。最終的に淋菌9株が分離された。分離培養された淋菌は保存培地に懸濁後冷凍し岐阜大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野の研究室の-70°Cフリーザー内で保存した。2. 淋菌臨床分離菌株に対する抗菌薬感受性試験 保存されていた2014年淋菌臨床分離菌株192株に対する各種抗菌薬の最小発育阻止濃度をClinicalLaboratory Standards Instituteの方法に準じて測定した。3. キノロン耐性機序の解析 キノロン耐性淋菌については、キノロン剤の標的酵素であるgyrA, gyrB, parCおよびparE遺伝子の変異を検索する予定である。4. セフェム耐性機序の解析 CTRX低感受性株2株についてpenicillin-binding protein 2をコードするpenA遺伝子の変異の解析中である。5. Azithromycin耐性機序の解析 AZM低感受性株について23S rRNAのdomain Vにおけるpeptidyltransferase loopの変化について検討中である。6. 耐性菌のclonalityの解析 NG-MASTおよびMLSTに関し、標準株での精度が問題ないことを確認し、2014年臨床分離淋菌のタイピングを実施中である。
2: おおむね順調に進展している
研究計画1~6についてほぼ全てに着手済みである。また2については2014年分の株に関しては既に終了している。
前年に引き続き以下の①~⑥までを継続する。1. 咽頭からの淋菌臨床分離株の収集を継続する。2. 淋菌臨床分離菌株に対する抗菌薬感受性試験 2015年分の淋菌臨床分離菌株に対する各種抗菌薬の最小発育阻止濃度をClinicalLaboratory Standards Instituteの方法に準じて測定する。3. キノロン耐性機序の解析 キノロン耐性淋菌については、キノロン剤の標的酵素であるgyrA, gyrB, parCおよびparE遺伝子の変異を検索する。4. セフェム耐性機序の解析 CTRX低感受性株についてpenicillin-binding protein 2をコードするpenA遺伝子の変異の解析をおこなう。5. Azithromycin耐性機序の解析 AZM低感受性株について23S rRNAのdomain Vにおけるpeptidyltransferase loopの変化について検討する。6. 耐性菌のclonalityの解析 NG-MASTおよびMLSTによるタイピングを行いclonalityについて検討を行う。さらに7. 淋菌咽頭感染患者および淋菌咽頭感染high risk患者の治療を行い臨床効果について検討する。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Journal of Antimicrobial Chemotherapy
巻: 69 ページ: 3116-3118
10.1093/jac/dku221.
Journal of Infection and Chemotherapy
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