研究実績の概要 |
ラット尿道間質組織におけるECMの加齢変化の検討 (方法)未経産雌性ラットを2群(若年群2か月、加齢群18か月齢)に分け、以下の実験を施行した。1)機能解析:失禁圧、尿道基線圧、膀胱圧上昇時の尿道反応。2)分子生物学的解析:Bioplex Proアッセイを用いて血清サイトカインの測定を行った。 (結果)1)失禁圧は加齢群が若年群と比較して有意に高値を示した(p<0.05)。尿道基線圧は若年群が加齢群と比較して有意に高値だった (p<0.01)。2)Bio-Plex Proサイトカインアッセイでは、加齢群において複数の炎症性サイトカインが有意に高値を示した。IL-1a, IL-1b, IL-2, IL-5, IL-6, IL-10, IL-13, IFN-γ, GCSF, TNF-α (p<0.01) ,IL-4 (P<0.05)。 (まとめ)今回は両群とも未経産ラットを用い、加齢の影響に焦点をあてた。加齢に伴い様々な血清中炎症性サイトカインの上昇、尿禁制低下がみられ慢性炎症はSUIの一因である可能性が示唆された。今後、尿道組織をLaser capture microdissectionを用いて組織毎に分け、炎症性サイトカインや細胞外マトリクス代謝産物の局所発現を測定する予定である。
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