研究課題
本研究ではFACIT Collagenの一つであるCollagenⅩⅨ(19)の存在が外尿道括約筋および尿禁制に与える影響について検討した。CollagenⅩⅨノックアウトマウスを作成し、尿禁制機能検査、また外尿道括約筋、尿道における形態変化を検討した。まず、比較に用いる129wildマウスの尿道にはqRT-PCRにてCollagenⅩⅨの発現があることを確認した。それぞれ4週齢雌のマウスを用いた。尿禁制機能検査では、Leak point pressureはノックアウト群で高い傾向にあったが有意差はみとめられなかった。形態学的には外尿道括約筋のサイズ、尿道内腔の平均面積、周囲長に有意差はみとめられなかった。以上の結果より、CollagenⅩⅨは外尿道括約筋の機能障害には関与していないことが示唆された。外尿道括約筋は食道下部括約筋と同様に平滑筋からの分化転換により発生する特有な横紋筋であるが、食道下部括約筋とは異なりCollagenⅩⅨの存在は直接尿禁制には関与していないことが明らかになった。次に、加齢に伴う尿道間質組織細胞外マトリクス組成について実験を行った。未経産加齢雌ラット(加齢群:18か月齢)と若年未経産雌ラット(若年群:2か月)のBrown-Norway ratを用いて、尿禁制機能解析および血清サイトカイン測定を行った。機能解析では失禁圧は加齢群が有意に高値を示し、尿道基線圧は若年群が加齢群と比較して有意に高値だった。血清におけるBio-Plex Proサイトカインアッセイでは、加齢群において複数の炎症性サイトカインが有意に高値を示した。しかし、検体が十分量採取できなかったため、細胞外マトリクス代謝産物の局所再現測定までは行えなかった。
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International Journal of Urology
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10.1111/iju.13330.