過活動膀胱患者は尿失禁や頻尿のためにQOLが低下するが、今後高齢化社会が進行し者数が増加するとされる。尿路上皮層を含む膀胱粘膜層は、排尿筋層や間質細胞、神経細胞に対して生理活性物質を放出することで下部尿路機能を制御に関与している。今回我々は粘膜層に存在する自律収縮機構とATP放出能機構を研究し、過活動膀胱発症の新たなメカニズを解明したいと考えた。 今回の検討においては過活動膀胱モデルとして卵巣摘除モルモットを使用した。このモデルは頻尿傾向となり、粘膜層から放出されるATP量が増加、また膀胱粘膜層の自律収縮量もATP濃度により影響を受けることを明らかにした。
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