研究課題/領域番号 |
26462449
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
相川 健 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80295419)
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研究分担者 |
柳田 知彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20363765)
櫛田 信博 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30381396)
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
石橋 啓 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90347211)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膀胱機能 / 脂肪 / 膀胱部分閉塞 |
研究実績の概要 |
12週齢オスSDラットに軽度膀胱部分閉塞モデルを作成した。シャム手術群をコントロールとした。術後ただちに高脂肪食あるいは普通食をそれぞれのラットに投与し1)膀胱部分閉塞+高脂肪食、2)膀胱部分閉塞+普通食、3)シャム手術+高脂肪食、4)シャム手術+普通食、の4つの動物群に分けた。6週経過後(18週齢)で中間評価をし、12週経過後(24週齢)で最終評価をした。 1)膀胱周囲脂肪量を評価するため本学実験動物室にある小動物用CTで膀胱周囲の脂肪の厚みを計測した。 ラット処置6週後の18週齢では、膀胱部分閉塞ラットはシャム手術ラットに比べ有意に膀胱周囲の脂肪が厚かった。しかし普通食、高脂肪食間での違いは見られなかった。24週齢では膀胱周囲の脂肪はさらに厚くなっていた。膀胱部分閉塞ラットでは普通食と比べ高脂肪食で有意に膀胱周囲の脂肪が厚かった。一方、シャム手術ラットでは普通食と高脂肪食で膀胱周囲脂肪の厚さに差は見られなかった。 2)膀胱周囲脂肪の炎症を評価するためリアルタイムRT-PCRで炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカイン、レニンアンジオテンシン系のmRNA発現を定量した。炎症性サイトカイン、レニンアンジオテンシン系のmRNA発現は18週齢、24週齢共に膀胱部分閉塞ラットでシャム手術ラットに比べ有意に増強していた。一方、抗炎症性サイトカインは差を認めなかった。膀胱部分閉塞ラットでは、普通食に比べ高脂肪食で炎症性サイトカインの発現が増強していたがその他は差を認めなかった。またシャム手術ラットでは食事の違いによる発現の差はいずれも認められなかった。 昨年度の膀胱部分閉塞ラットとシャム手術ラットの膀胱機能の差と本年度の結果から膀胱機能への膀胱周囲の脂肪の関与が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
膀胱周囲脂肪組織の膀胱機能への影響を明確にするため手術による脂肪除去、アンジオテンシンタイプ1受容体遮断薬の効果を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文校正など使用予定であったが必要なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度国際学会などで発表の際使用予定である。
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