閉塞性腎症に対する間葉系幹細胞 (MSC)の注入療法による治療効果をラット尿管部分結紮モデルを用いて検討した。治療後の腎組織を採取して、上皮・ 間葉系形質転換 (EMT)、腎線維化、それに関与 する増殖因子とサイトカインについて評価した。 1) 赤色蛍光標識したヒトおよびラットMSCは、閉塞性腎症モデルの腎間質と尿細管に4週間以上にわたり局在した。2) 閉塞性腎症モデルにおいて、EMTと腎線維化は、MSCの注入により治療後3日~4週間までそれぞれ有意に抑制された。3)MSC注入によるEMTと腎線維化の抑制には、多くの増殖因子やサイトカインのなかでTNF-αの関与が示された。
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