キノロン感受性尿路病原性大腸菌株からキノロン高度耐性を得た。耐性株においては元株にはなかったQRDRのgyrA,、parC、 parE などに遺伝子変異がみられた。薬剤排出ポンプ関連蛋白のmRNA発現レベルを比較したところ、marAにおいては100~1000倍と顕著な増加を示した。 さらに大腸菌にキノロン耐性を誘導すると、8~32倍のセフェム系抗菌薬に対する耐性も同時に誘導されていることが確認された。セフェム系抗菌薬に対する耐性誘導のメカニズム解明のため、元株および対象菌株のホールゲノムシークエンスを行い、キノロン系およびセフェム系耐性の誘導に関与する遺伝子の同定を進めている。
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