• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

ヒト体液を用いた精子無力症原因因子の簡易検査法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26462467
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

高崎 延佳  独立行政法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 招聘研究員 (00342808)

研究分担者 成松 久  独立行政法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 招聘研究員 (40129581)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード精子無力症 / 男性不妊症 / 遺伝子変異 / 原因因子診断法
研究実績の概要

精巣精子細胞特異的に発現するGalntl5遺伝子ヘテロ欠損マウスで観察された精子運動能低下による雄性不妊の表現型は、ヒト男性不妊症の一つである精子無力症の症状に酷似している。そこで、ヒトゲノムにも存在するGALNTL5遺伝子上の変異によって精子無力症を発症した患者を効率良く同定する手法の開発を試みてきた。Galntl5遺伝子欠損マウス精子では複数の精子タンパク質分子の量が野生型マウス精子に比べて減少する特徴から、これら精子タンパク質をマーカーに、精子無力症患者の精子を対象としてタンパク質量の変動を指標としたスクリーニング方法を我々は開発した。実際に200例の精子無力症患者の中からGALNTL5遺伝子上に母親由来と推測されるヘテロの1塩基欠失を持つ精子無力症患者を同定することに成功している。
本年度はGALNTL5遺伝子変異に起因する精子無力症患者をより効率良く同定するために、指標とするマーカー精子タンパク質の分子数を増やすことを目標に研究に取り組んできた。その中で、これまでの論文報告を基にヒトの精子のみに存在するアミノペプチダーゼ分子がマーカー分子に成り得るか検証を試み、購入した抗体でアミノペプチダーゼタンパク質分子を検出する系を確立した。GALNTL5遺伝子変異を起因とする精子無力症患者同定に対して有用なマーカーに成り得る可能性も示されたが、より詳細な検証が必要であると考えられる。更にGalntl5遺伝子欠損マウスの精巣を用いて新たなマーカー精子タンパク質の検索、同定に取り組んでいる途中である。一方、ヒトGALNTL5遺伝子上の変異を高感度に検出する系として次世代シークエンス法による遺伝子変異検出法の確立を現在目指しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

精子無力症原因因子同定を患者精子を対象に行う際に抗体を用いることを検討してきたが、実際に論文で報告されていた精子タンパク質の抗体が有用なマーカーに成り得る可能性を確認することができている点から。また次世代シークエンサーを用いたヒトGALNTLT5遺伝子上の変異を検出する系の確立に展望があることから。

今後の研究の推進方策

本年度は精巣内精子を用いて精子形成におけるGalntl5遺伝子の分子メカニズム解明を通じて、精子運動能が低下するGalntl5遺伝子欠損マウスに再度着目し、精子運動能の低下を及ぼした精子形成異常をもたらしたタンパク質分子の同定を試みていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

本年度中に納品がされなかった試薬分の費用が次年度へと繰り越されている点と、特定の試薬(抗体)については販売がされていない事例が存在したため。

次年度使用額の使用計画

必要な抗体については外部委託にて作成を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 精子無力症の発症原因となる糖転移酵素様遺伝子の発見2014

    • 著者名/発表者名
      高崎延佳
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 249 ページ: 682-687

  • [学会発表] A heterozygous mutation of glycosyltransferase-like gene causes asthenozoospermia2014

    • 著者名/発表者名
      Narimatsu H, Takasaki N
    • 学会等名
      JOINT MEETING OF THE SOCIETY FOR GLYCOBIOLOGY (SFG) AND THE JAPANESE SOCIETY OF CARBOHYDRATE RESEARCH (JSCR)
    • 発表場所
      Honolulu, Hawaii
    • 年月日
      2014-11-16 – 2014-11-19
    • 招待講演
  • [備考] 精子無力症の原因となる遺伝子を発見

    • URL

      https://www.aist.go.jp/Portals/0/resource_images/aist_j/aistinfo/aist_today/vol14_07/vol14_07_p10.pdf

  • [備考] Discovery of gene that causes asthenozoospermia

    • URL

      http://www.aist.go.jp/Portals/0/resource_images/aist_e/aist_today/2014_54/pdf/2014_54_p16.pdf

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi