周産期心筋症は、妊娠中から産後にかけて突然の心不全をきたす、妊産婦死亡の原因となる疾患である。本研究では、まず妊娠中の循環動態を観察し、心不全を診断するのに必要な、バイオマーカーや心エコー指標の正常妊娠中・産後の基準値を策定した。次に、正常妊娠と比較して妊娠高血圧症候群や双胎妊娠でどのような循環動態の違いがあるのかを解明し、心不全早期発見のためのバイオマーカーによるスクリーニング方法の一つの提言を行った。本研究成果は、妊娠中・産後の心不全がより簡便に早期発見され、周産期心筋症を発見する一つの端緒を開くものと考えられる。
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