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2015 年度 実施状況報告書

酸化ストレスと小胞体ストレスの制御による高齢不妊症患者のための新たな治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26462474
研究機関山形大学

研究代表者

五十嵐 秀樹  山形大学, 医学部, 助教 (80333970)

研究分担者 高橋 俊文  山形大学, 医学部, 講師 (20302292)
網田 光善  山形大学, 医学部, 助教 (30420061)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード加齢卵 / 小胞体ストレス / Salubrinal / マウス
研究実績の概要

Salubrinal(Sal)は小胞体ストレスセンサーであるPERKの下流に位置するeIF-2αの脱リン酸化反応を阻害する。eIF-2αが持続的にリン酸化されることによりATF-4を介して翻訳抑制を起こし、アポトーシスを抑制することが報告されている。我々はsalの小胞体ストレス制御がマウス排卵後加齢卵(加齢卵)の受精率の低下、胚発生の悪化を改善させるか検討を行った。加齢卵は体外受精を行った後に、1)KSOM、2)KSOM+Sal.1μM、3)KSOM+Sal.5μM、4)KSOM+Sal.10μM、の4群に分けて培養を行った。Sal処理群ではいずれの濃度でも加齢卵に比較してフラグメンテーション胚の頻度が有意に低下した。また、Sal.5μM処理群では桑実胚への発生率が上昇した。また、加齢卵を、1)HTF medium+DMSO(コントロール)、2)HTF medium+Sal.1μM、3)HTF medium+Sal.5μM、4)HTF medium+Sal.10μM、で1時間処理した後に体外受精を行った結果、Sal処理群ではいずれもフラグメンテーション胚の頻度が有意に低下した。また、HTF medium+Sal.10μMで処理した群ではhatcing胚が有意に増加した。これらの結果から、Salによる小胞体ストレス抑制は異常発生胚を減らし、胚発生を改善する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Salubrinalの至適作用濃度と、卵・胚への処理のタイミングを選択するために多くの予備実験を必要とした。

今後の研究の推進方策

体外受精実験で確認されたSalの効果は小胞体ストレスセンサーであるPERKの下流に位置するeIF-2αの脱リン酸化反応を阻害に依ると考えられる。よって、分子生物学的手法によりSal処理卵のeIF-2αのリン酸化・脱リン酸化を定量的に評価する。また、ATF-4を介した翻訳抑制が胚発生異常の減少と胚発生改善に寄与していると考えられ、ATF-4の発現についても同様に分子生物学的手法により評価を行う。その他の小胞体ストレス制御物質(BGP-15など)も胚発生を改善する可能性がある。Salと同様の方法でその効果を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度は予定より研究の進展がやや遅れたため、試薬の購入を行わなかった。

次年度使用額の使用計画

平成28年度は当初計画と昨年度の未購入試薬を用いた研究を実施予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Oocyte aging underlies female reproductive aging: biological mechanisms and therapeutic strategies2015

    • 著者名/発表者名
      Igarashi, Hideki Takahashi, Toshifumi Nagase, Satoru
    • 雑誌名

      Reproductive Medicine and Biology

      巻: 14 ページ: 159-169

    • DOI

      10.1007/s12522-015-0209-5

    • 査読あり

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公開日: 2017-01-06  

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