マウス排卵後加齢卵(加齢卵)を用い、小胞体ストレス(Endoplasmic reticulum stress: ERS)の制御が胚発生を改善するかを検討した。ERS時に発現する分子シャペロンであるGRP78の発現が未受精卵で最も強かったことから、加齢未受精卵をERS制御物質であるsalburinalで処理し、体外受精後の胚発生を観察した。異常発生胚は未処理卵に比較して有意に減少した。また、桑実胚、胚盤胞、孵化胚盤胞の発生が有意に改善した。Salburinal処理卵ではPERK経路下流のeIF2αの脱リン酸化が抑制によりERSが制御され、加齢卵の胚発生が改善したと推測された。
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