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2014 年度 実施状況報告書

子宮内膜症の病因病態における腹腔内貪食細胞の関与

研究課題

研究課題/領域番号 26462478
研究機関東京大学

研究代表者

甲賀 かをり  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10396723)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード子宮内膜症
研究実績の概要

子宮内膜症患者の腹腔内貯留液中のマクロファージについては、CD260, CD163を用いたcharacterizationを行い、既報にあるよりもM2マクロファージが必ずしも多いとは限らないことがわかった。現在子宮内膜症患者に特有なマクロファージの性質を知るために、子宮内膜症患者とコントロール女性の腹腔内マクロファージをアレイに提出中である。

また末梢血単核球からCD14陽性細胞を磁気ビーズを用いて単離、MCSFを用いてマクロファージ様細胞を作成、子宮内膜症性間質細胞と共培養して子宮内膜症がマクロファージに与える影響について検討中である。

樹状細胞については、同様にCD14陽性細胞よりGMCSF IL4を用いて樹状細胞を作成し、子宮内膜細胞と共培養、子宮内膜症細胞を貪食することを初めて明らかにし、貪食後にIL6, TNFなどの炎症生サイトカインの分泌が増加することがわかった。これにより腹腔内樹状細胞は逆流子宮内膜を貪食することで、子宮内膜症の発症進展に関与することが示唆された。さらに樹状細胞上のCD206(マンノースレセプター)が子宮内膜症患者でその発現が高く、それをマスクすることで貪食が減ることが明らかとなり、このレセプターをマスクさせることが子宮内膜症の治療につながる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

樹状細胞に関する計画は予定通りである。マクロファージに関する計画は、他科の既報の確認実験で、再現性がとれなかったことから(おそらく我々の所見の方が正しいものと思われる)、方針を変更したため多少進展が遅くなっている。

今後の研究の推進方策

樹状細胞については大きな変更はない。マクロファージについてはアレイの結果をみてターゲットとなる分子を見極める予定。

次年度使用額が生じた理由

マクロファージに関する計画は、他科の既報の確認実験で、再現性がとれなかったことから(おそらく我々の所見の方が正しいものと思われる)、方針を変更したため多少進展が遅くなっており、それに伴い経費使用計画も変更することになり次年度の使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

マクロファージについてはアレイの結果をみてターゲットとなる分子を見極める予定であり、状況に応じて必要な支出を追って決定する。残額内で納まるものと考える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 5件)

  • [雑誌論文] Viperin is induced following toll-like receptor 3 (TLR3) ligation and has a virus-responsive function in human trophoblast cells2015

    • 著者名/発表者名
      Wang B, Fang Y, Wu Y, Koga K, Osuga Y, Lv S, Chen D, Zhu Y, Wang J, Huang H
    • 雑誌名

      Placenta

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.placenta.2015.03.002.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Laparoscopic excision of ovarian endometrioma does not exert a qualitative effect on ovarian function: insights from in vitro fertilization and single embryo transfer cycles2015

    • 著者名/発表者名
      Harada M, Takahashi N, Hirata T, Koga K, Fujii T, Osuga Y
    • 雑誌名

      J Assist Reprod Genet

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Cyclic Stretch Augments Production of Neutrophil Chemokines, Matrix Metalloproteinases, and Activin A in Human Endometrial Stromal Cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Izumi G, Koga K, Nagai M, Urata Y, Takamura M, Harada M, Hirata T, Hirota Y, Ogawa K, Inoue S, Fujii T, Osuga Y.
    • 雑誌名

      Am J Reprod Immunol.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1111/aji.12359.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] IL-1β increases expression of tryptophan 2,3-dioxygenase and stimulates tryptophan catabolism in endometrioma stromal cells2014

    • 著者名/発表者名
      Urata Y, Koga K, Hirota Y, Akiyama I, Izumi G, Takamura M, Nagai M, Harada M, Hirata T, Yoshino O, Kawana K, Fujii T, Osuga Y.
    • 雑誌名

      Am J Reprod Immunol.

      巻: 72 ページ: 496-503

    • DOI

      10.1111/aji.12282.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Dienogest reduces proliferation, aromatase expression and angiogenesis, and increases apoptosis in human endometriosis2014

    • 著者名/発表者名
      Miyashita M, Koga K, Takamura M, Izumi G, Nagai M, Harada M, Hirata T, Hirota Y, Fujii T, Osuga Y
    • 雑誌名

      Gynecol Endocrinol

      巻: 30 ページ: 644-648

    • DOI

      10.3109/09513590.2014.911279

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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