研究課題
子宮内膜症患者の腹腔内貯留液中のマクロファージについては、CD260, CD163を用いたcharacterizationを行い、既報にあるよりもM2マクロファージが必ずしも多いとは限らないことがわかった。現在子宮内膜症患者に特有なマクロファージの性質を知るために、子宮内膜症患者とコントロール女性の腹腔内マクロファージをアレイに提出中である。また末梢血単核球からCD14陽性細胞を磁気ビーズを用いて単離、MCSFを用いてマクロファージ様細胞を作成、子宮内膜症性間質細胞と共培養して子宮内膜症がマクロファージに与える影響について検討中である。樹状細胞については、同様にCD14陽性細胞よりGMCSF IL4を用いて樹状細胞を作成し、子宮内膜細胞と共培養、子宮内膜症細胞を貪食することを初めて明らかにし、貪食後にIL6, TNFなどの炎症生サイトカインの分泌が増加することがわかった。これにより腹腔内樹状細胞は逆流子宮内膜を貪食することで、子宮内膜症の発症進展に関与することが示唆された。さらに樹状細胞上のCD206(マンノースレセプター)が子宮内膜症患者でその発現が高く、それをマスクすることで貪食が減ることが明らかとなり、このレセプターをマスクさせることが子宮内膜症の治療につながる可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
樹状細胞に関する計画は予定通りである。マクロファージに関する計画は、他科の既報の確認実験で、再現性がとれなかったことから(おそらく我々の所見の方が正しいものと思われる)、方針を変更したため多少進展が遅くなっている。
樹状細胞については大きな変更はない。マクロファージについてはアレイの結果をみてターゲットとなる分子を見極める予定。
マクロファージに関する計画は、他科の既報の確認実験で、再現性がとれなかったことから(おそらく我々の所見の方が正しいものと思われる)、方針を変更したため多少進展が遅くなっており、それに伴い経費使用計画も変更することになり次年度の使用額が生じた。
マクロファージについてはアレイの結果をみてターゲットとなる分子を見極める予定であり、状況に応じて必要な支出を追って決定する。残額内で納まるものと考える。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 5件)
Placenta
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.placenta.2015.03.002.
J Assist Reprod Genet
Am J Reprod Immunol.
10.1111/aji.12359.
巻: 72 ページ: 496-503
10.1111/aji.12282.
Gynecol Endocrinol
巻: 30 ページ: 644-648
10.3109/09513590.2014.911279