研究課題
子宮内膜症と自律神経との関連を明らかにするべく、①ヒト腹腔内細胞を用いたin vitro研究、②マウスを用いた子宮内膜症モデル ③子宮内膜症手術症例に対して自律神経状態を血液やホルター心電図にて評価を行う。という3つのモデルを用いて検討を行っている。これまでの検討により、子宮内膜症は炎症性疾患と捉えられているが、交感神経の活性化が炎症を惹起することで同疾患に関与するデータを得つつある。
2: おおむね順調に進展している
ヒト腹腔内免疫担当細胞を用いたin vitro検討において、副交感神経刺激作動薬は炎症を抑制することを認めた。また、マウス子宮内膜症モデルに副交感神経刺激作動薬を投与したところ、子宮内膜症様病変が縮小することを見出した。子宮内膜症は炎症性疾患として捉えられていることから、子宮内膜症では副交感刺激よりも交感神経刺激が優位になることが仮説として挙げられる。そこで、子宮内膜症患者と非子宮内膜症患者の自律神経の状態について網羅的な検討を行ったところ、子宮内膜症患者では交感神経のマーカーである血中ノルアドレナリンの濃度が対象群と比べて高値を示す傾向を認めた。
特に、子宮内膜症手術症例患者における自律神経状態の評価に関して、更なるデータの蓄積が必要である。
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