研究課題
ヒト腹腔内マクロファージを用いて、LPS添加により誘導されるIL-1β発現は、ニコチン、ニコチン性受容体α7 agonist 刺激により有意に減少することを認めた。また、子宮内膜症マウスモデルにニコチン、α-7 nAchR agonistで、有意に子宮内膜症様病変が縮小することをこれまで認めた。特に、同縮小効果はα-7 nAchR antagonist 投与によりキャンセルされたことから、α-7ニコチン性アセチルコリン受容体を介しての作用であることが示唆された。また、病変誘導早期の時点でのマウス腹腔内血球系のIL-1βmRNA 発現はα-7 nAchR agonistにより減少し、同受容体アンタゴニスト同時添加によりキャンセルされた。子宮内膜症は慢性炎症性疾患であり、その炎症の機転として、腹腔内のマクロファージから分泌される炎症性サイトカイン、特にIL-1βが子宮内膜症病変に作用し、更なる炎症を誘導すると考えられた。ニコチン刺激は副交感神経のアゴニストである。そこで炎症性疾患である子宮内膜症患者では交感神経が活性化していることにより、慢性炎症状態が誘導されているとの仮説を立て、子宮内膜症患者における交感神経状態に関して検討を行った。子宮内膜症および非子宮内膜症患者に対し、①精神神経状態についての問診、また交感神経の評価方法として② ホルター型心電図による自律神経状態の評価および③ 血液検査による交感神経活性状態の評価 を行った。子宮内膜症患者では、不安状態の指標となるSTAIテストのうち、特性不安が非子宮内膜症患者に比べて高値を示すことを認めた。そして、子宮内膜症群では血中のノルアドレナリンが上昇している傾向を認めた。
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