脳性麻痺の原因の一つである胎児発育不全には過凝固―高サイトカイン血症が病態の一部にある。この病態は妊娠初期の胎盤形成に重要な役割を演じていると考えられ、最終的に胎盤形成機能不全となる。ただ、過凝固―高サイトカイン―炎症系ネットワークがどのように初期絨毛細胞の胎盤形成に関与するのかはこれまで明確でなかった。本研究ではTNF-α、IL-1βといった炎症性サイトカインにより、HTR-8SV/neo(絨毛外絨毛細胞株)で生理的に発現しているPAR-2発現が抑制されたことより、胎盤初期絨毛の胎盤構築の抑制に炎症性サイトカインが直接関与していることを一部示し、胎盤形成機能不全の病態解明つながるものである。
|