研究実績の概要 |
既に樹立したヒト不死化顆粒膜細胞株/HGrCを培養し、GDF-9, BMP4,6,7, Kit Ligand, AMH, FSH , mTOR inhibitor/activator, PTEN inhibitor, CNP, S1P をそれぞれ添加して48時間培養しタンパク、mRNAおよび培養上清を回収、細胞増殖能や、細胞内シグナル評価、培養上清ステロイド産生能評価を行った。定量的RT-PCRにおいて、GDF-9添加によりコレステロール合成経路に関与する酵素のmRNA発現増加を認め、FSH添加を追加することで相乗効果が得られた。これらの酵素には卵の減数分裂も関与していることが、これまでに報告されており、これらが卵と卵胞発育における、両者の相互作用へ関連している可能性が示唆された。 また8週齢マウス卵巣切片を経時的連続観察下に培養し、得られた画像より、原始卵胞数や発育卵胞の数や直径、面積、発育速度の変化を観察した。BrdUパルスチェイスによる取り込み評価も併用し、至適培養条件についての検討を行った。得られた至適条件下に培養を行い、LHを添加することで一部の卵は排卵に至った。GDF-9やFSHなどの因子を添加し、それぞれの条件下での発育卵胞の数や直径、発育速度、BrdUパルスチェイスによる取り込みについて比較検討を行った。 また加齢マウスについても24週齢前後のマウスを対象に体外受精を行い、受精率や胚盤胞到達率などを比較検討した。
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