研究課題
4週齢マウスの卵巣切片について、各種増殖因子刺激下に組織培養を行い、タイムラプス撮影による卵胞発育評価を行なった。放出された卵母細胞については成熟培養を行い、放出時の卵胞面積、卵母細胞径、培養前後の減数分裂期を評価した。抗BrdU抗体陽性の顆粒膜細胞を有する卵胞をカウントし顆粒膜細胞のDNA合成を評価した。これらの結果より添加因子の効果を解析した。全ての群において、卵母細胞放出時の卵胞面積に比例して卵母細胞径も有意に増加し、MII 期到達率も有意にに増加していた。GDF-9およびbFGFの単剤添加群ではコントロール群と比較して卵胞発育の促進を認め、BrdU免疫染色法による初期卵胞における顆粒膜細胞のBrdU 陽性率も増加していた。TGF-α 添加群で顆粒膜細胞のBrdU 陽性率が高い傾向を認めた。BMP-4およびMHY1485 (mTOR activator )添加群添加群ではControl群と比較してBrdU陽性率に変化は見られなかった。1週間連続添加群とDay6-7のみ添加群との比較では同等のBrdU 陽性率であった。マウス卵巣組織培養による経時観察と放出卵母細胞の成熟培養は,卵胞発育と卵母細胞の成熟度を比較評価する上で有用であった。BrdU免疫染色法を併用することで、増殖因子がどの発育段階の卵胞に寄与するかを評価するのに有用であり、増殖因子の効果の評価方法を確立することができた。GDF-9およびbFGF添加によるが卵胞発育促進効果を確認した。
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