研究課題
【目的】妊娠高血圧症候群(以下PE)は、全妊娠の数%に合併し,母体や児に重大な合併症をもたらすが、確立された有効な治療は分娩である。Angiogenic imbalanceがPE病態の根幹とされ、血管新生因子の一つである胎盤増殖因子(以下PlGF)増加はPE治療につながると期待される。PEの治療薬として、近年PDE-5阻害剤が注目されている。以前に我々の研究室では、ヒト臍帯静脈内皮細胞(以下HUVEC)において、バルデナフィルは濃度依存性にPlGF発現を増加させることを明らかにした。本年度の検討においては絨毛細胞でのPlGF発現を確認するため、ヒト妊娠性絨毛癌細胞株(以下BeWo細胞)において、バルデナフィル投与下でのPlGF発現の検討を行った。【方法】まず24well plateに1wellあたり6.0×104のBeWo細胞を播き、24時間培養を行った。バルデナフィルをそれぞれ、投与なし、0.1nM、1nM、10nM、100nM、1μM、10μM、100μM添加し,更に24時間培養を行った後にBeWo細胞上清中のPlGF濃度をELISA法にて測定した。【成績】それぞれの平均値は、Control群2026pg/ml、0.1nM群 2336pg/ml、1nM群2318pg/ml、10nM群1761pg/ml、100nM群3014pg/ml、1μM群3014pg/ml、10μM群2505pg/ml、100μM群1479pg/mlであった。【結論】バルデナフィルはBeWo細胞のPlGF産生を増加する作用を示すことが示唆されたが、このモデルではdose effectについては明確には証明することは示すことが出来なかった。高濃度のバルデナフィルが細胞障害を来した可能性もあり、バルデナフィルがPE治療薬となり得るかについては,今後更なる検討を要すると考えられた。
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