妊娠高血圧症候群(以下PIHと略す)は、全妊娠の3-5%に合併し、母児の予後にとって大きな脅威となっている。PIHの治療に関しては、分娩(妊娠の中断)のみであり、薬物治療は存在しない。 今回の検討で、ヒト血管内皮細胞モデル(HUVEC)からPlGFの分泌を促進させる物質として、528種類の既存薬ライブラリーの中から、PDE5阻害薬であるvardenafil を同定した。絨毛細胞モデル(BeWo細胞)においてもPlGF産生を増加させることが示唆されたものの、明らかな濃度依存性を示すことはできなかった。vardenafilがPIHの治療薬となり得るかについては,今後更なる検討を要すると考えられた。
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