羊水/血清濃度が非常に高い羊水特異マーカーであるSCCを用い、羊水が母体血中に流入した量により、後産期出血量に違いがあるかを検討した。後産期出血量が異常値(500ml以上)であった群の母体血中SCC値の分娩前後の差は、正常量であった群に比して有意に高値を示した。このことより、羊水が母体血中へ流入した量が多い症例は、分娩時の出血量も多いといことが統計学的に証明された。この現象は、臨床的羊水塞栓症例と頸管裂傷症例に多く認めらられ、母体血中のSCC値の上昇以外にも、FDP-DDの上昇率も有意に高かった。また、血中のSCC値上昇を惹起させるIL-4とIL-13は、後産期出血量の増加とは無関係であった。
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