卵巣から抽出される卵子幹細胞(OSCs)の臨床応用にむけて、下記の成果を得た。 妊娠8-19週のヒト胎児卵巣の解析によって、MAELとTEX11という減数分裂関連蛋白が胎児の卵子形成に伴って検出された。同様の現象が、OSCsが卵細胞へ分化する時、ES細胞が始原生殖細胞様細胞や卵細胞様細胞に分化する時にも確認された。 OSCsから卵細胞が分化する際には微小環境が重要であり、マウスではコラーゲンが、ヒトではラミニンが分化を促進することを発見した。更に、ヒト胎児期卵巣に検出される蛋白のコンピュータ解析によって、卵原細胞から卵子が分化する妊娠17週の卵巣ではラミニンの発現が増大することが分かった。
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