研究課題/領域番号 |
26462501
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
関沢 明彦 昭和大学, 医学部, 教授 (10245839)
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研究分担者 |
小出 馨子 昭和大学, 医学部, 助教 (90384437)
四元 淳子 昭和大学, 医学部, 特別研究生 (30553648)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 絨毛細胞 / DNAメチル化 / 絨毛細胞分化 |
研究実績の概要 |
人工妊娠中絶時に採取した正常妊娠の初期絨毛組織の遺伝子発現の検討では、正常な妊娠経過に伴い、抗酸化因子や血管増殖関連遺伝子などの多くの遺伝子発現がダイナミックに変化するとの知見から、これらの生理的な変化が種々の組織の形成に必須のエピジェネティックなメカニズムと関連していると考えた。そこで、同じ組織で妊娠6週と11週でDNAメチル化についてメチレーションアレイを用いて全ゲノム上の45万CpGサイトを分析し、DNAメチル化をプロファイリングした。さらに、PIHを発症した症例の胎盤と正常に妊娠経過した症例の胎盤でもDNAメチル化のプロファイリングを行って両群間で違いがあったCpGサイトを抽出した。その上で、妊娠6週と11週のメチレーションプロファイルが異なるCpGサイトを抽出し、妊娠6週、11週と妊娠後期のサンプル、および妊娠高血圧腎症を発症した胎盤絨毛を用いてクラスター解析を行った。その結果、メチル化状態が、妊娠6週と11週で大きく異なるのは当然であるが、妊娠後期と妊娠高血圧腎症のサンプルでも明らかに別のクラスターを形成したことから、妊娠6週から11週の時期に胎盤絨毛細胞に起こるDNAメチル化における生理的な変化が起こらないことと、妊娠高血圧腎症発症に強い関連があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はほぼ計画通りに進行している
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、今回抽出したCpGサイトの中で、遺伝子のプロモーター領域に存在し、当該遺伝子の機能を加味して候補となるCpGを抽出する。DNAメチル化率、遺伝子発現をパイロシークエンサー、RT-PCR法で定量し、アレイの結果およびそのCpGの遺伝子発現に対して予定されている影響があるかの確認を多数例で解析し、妊娠初期の生理的変化についての仮説の証明を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進行の関係でパイロシークエンサーを利用した多検体でのメチル化解析を27年度に実施することになったため、その予算を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
27年の4月~5月に当該実験を計画しており、そのための試薬・キット購入は4月に予定している。
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