研究課題
分娩中の母体二酸化炭素分圧を経皮的二酸化炭素分圧モニターを用いて測定し、母体の二酸化炭素レベルに関与する因子を多数例の分娩から検討することが本研究の目的である。本年度は研究計画のはじめとして、経皮二酸化炭素分圧センサーtcPCO2 electrode(Radiometer Tina TCM4 capnographを購入した。また、分娩の胎児二酸化炭素分圧に関連する様々な因子を多数例の分娩から検討する基礎研究として、分娩中の輸液量が分娩経過に与える影響を検討した。分娩中の適切な輸液は帝王切開や遷延分娩の減少、また胎児低酸素症の予防に寄与する可能性があると考えられている。また、様々な分娩中の要因が、分娩中の過換気に影響していると考えられている。本研究の結果、ほとんどの分娩では妊婦は分娩中に輸液にもかかわらず脱水になっていること、また脱水の程度が進むにつれて分娩の進行が緩徐になることを見出した(第38回日本産科婦人科栄養・代謝研究会で発表)。今後は分娩中の輸液量および脱水の程度と母体の経皮二酸化炭素分圧との関連を検討する予定である。また、平成27年には胎児の脳血流や脳内酸素飽和度を測定する機器(測定者の指に装着可能)が静岡大学および浜松医科大学によって開発され第33回周産期学シンポジウム(2015年1月23,24)にて発表された。当学会に参加し実際に検討を行ったが、本機器は、母体二酸化炭素分圧と出生時の胎児脳血流および脳内酸素飽和度を直接検討できる画期的な機器と考えられ、当機器を用いた母体二酸化炭素分圧と胎児脳血流および脳内酸素飽和度の関係についても検討していく予定で準備を進めている。
3: やや遅れている
本年度は研究の本格的な至らず、基礎研究および研究の準備に多くの時間を費やした。理由として主任研究者の年度中の転勤があげられる。本年は本格的な研究を開始する予定である。
本年度は出生時に臍帯動静脈の酸素分圧・二酸化炭素分圧・pH などを測定し、胎児二酸化炭素分圧に関連する因子を多数例の分娩から検討することに加えて、前述の胎児の脳血流や脳内酸素飽和度を測定する機器(指に装着可能)を用いて直接胎児脳血流および脳内酸素飽和度との関係を検討する。
残金が少額のため次年度に繰り越す。
物品費に充当。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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