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2015 年度 実施状況報告書

子宮体癌センチネルリンパ節転移の腫瘍量、形態による2次リンパ節転移のリスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 26462510
研究機関東北大学

研究代表者

新倉 仁  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80261634)

研究分担者 永瀬 智  山形大学, 医学部, 教授 (00292326)
岡本 聡  東北大学, 大学病院, 臨床検査技師 (40420020)
海法 道子 (佐久間道子)  東北大学, 大学病院, 助教 (50531331)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード子宮体癌 / センチネルリンパ節 / OSNA法 / RT-LAMP法 / CK19 / 微小転移 / ITC
研究実績の概要

昨年度の検討において、OSNA法における子宮体癌センチネルリンパ節(SLN)転移検出のために最適なマーカーはCK19mRNAであることが判明した。さらに検査として用いる場合の最適なカットオフ値として250 copies/μlに設定した。この基準で77症例から得られた277個のSLNに対して2mm間隔で切断し、病理学的転移の検索の結果が陰性であった11例については0.1mm毎の検索(サイトケラチン免疫染色を含む)を追加した。他の66例についてOSNA法による測定を施行した。OSNA法により、10症例から得られた20個のSLNより転移を検出した(2mm以上の大型転移のうち7個のSLN、2mm未満かつ0.2mm以上の微小転移のうち7個のSLN、0.2mm未満の孤立性腫瘍細胞のうち5個のSLN、また2mm分割法では転移陰性であったSLNのうち3個から検出)。実際に得られたOSNA法でのコピー数は微小転移では最低では320コピー、最大では3300コピー、孤立性腫瘍細胞では730コピーから8320コピー、陰性例では320コピーから710コピーに分布していた。臨床検体による転移診断における転移巣の最大径では、そのリンパ節における転移巣の腫瘍体積を反映していない可能性が考えられた。孤立性腫瘍細胞や微小転移とされるものの中にも、小集塊で多数の転移を有している症例が存在し、結果としてリンパ節あたりの腫瘍量が大きくなっている可能性があり、転移形態についても注意する必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度の計画としては、実際にSLN転移におけるOSNA法によるCK19mRNA検出の性能評価をするという課題については症例数を増やして順調に検討できた。サンプリングされた症例での転移例が少なく、OSNA法によるmRNAのコピー数と転移巣の推定体積の比較による子宮体癌での転移巣の定量化の検討がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

現状の子宮体癌SLNのサンプリングを続けて、半定量化を実現するためリンパ節の新鮮凍結標本からHE標本により転移の形態(孤在性か播種状かなど)、組織分化度の検討、転移巣の面積の測定、体積の推定を行い、残りの一方はmRNAの測定に供して、OSNA法によるmRNAのコピー数を算出することは継続する。臨床検体での転移例の集積に遅れが出る場合には子宮体がんの培養細胞を用いて細胞数とOSNA法でのmRNAコピー数を検討することにより培養細胞間でのCK19発現のばらつきの程度のデータを検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。

次年度使用額の使用計画

平成28年度請求額と合わせ、平成28年度の研究遂行に使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 子宮内膜癌に対するセンチネルリンパ節検索の現況と展望2015

    • 著者名/発表者名
      新倉仁、八重樫伸生
    • 雑誌名

      産婦人科の実際

      巻: 64巻5号 ページ: 627-633

  • [雑誌論文] センチネルリンパ節生検と微小転移の意義2015

    • 著者名/発表者名
      新倉仁、八重樫伸生
    • 雑誌名

      産婦人科の実際

      巻: 64巻13号 ページ: 2013-2019

  • [雑誌論文] 婦人科癌リンパ節転移の術中迅速遺伝子診断2015

    • 著者名/発表者名
      新倉仁
    • 雑誌名

      臨床婦人科産科

      巻: 70巻2号 ページ: 227-233

  • [学会発表] 術中にみる婦人科癌センチネルリンパ節検出部位と転移診断法―リンパ節転移を効率よく発見するために―2015

    • 著者名/発表者名
      新倉仁
    • 学会等名
      第53回日本癌治療学会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル京都(京都市)
    • 年月日
      2015-10-29
  • [学会発表] 子宮頸癌、子宮体がんのセンチネルリンパ節からリンパ節郭清範囲を考える2015

    • 著者名/発表者名
      新倉仁
    • 学会等名
      第8回兵庫県婦人科がん診療連携懇話会
    • 発表場所
      神戸三宮東急REIホテル(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-07-04
    • 招待講演
  • [学会発表] 開腹手術、腹腔鏡下手術におけるTHUNDERBEATの有用性2015

    • 著者名/発表者名
      新倉仁
    • 学会等名
      第67回日本産科婦人科学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2015-04-11

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公開日: 2017-01-06  

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