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2015 年度 実績報告書

子宮体部漿液性腺癌でのmiRNA標的遺伝子同定による薬剤耐性機構の解明と応用

研究課題

研究課題/領域番号 26462511
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 史彦  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20400343)

研究分担者 永瀬 智  山形大学, 医学部, 教授 (00292326)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード子宮体部漿液性腺癌 / 薬剤耐性 / miRNA / ChIPアッセイ
研究実績の概要

子宮体部漿液性腺癌(漿液性腺癌)は、初診時にリンパ節転移・卵巣転移を合併することが多く術後の化学治療法が極めて重要な意味を持つ。予後改善には薬剤耐性機構の解明が必須であると考えられる。
本研究は細胞株を用いて化学療法キードラックである抗癌剤3剤(paclitaxel、cisplatin、doxorubicin)への薬剤耐性メカニズムをmicroRNA(miRNA)に注目し解明することを目的して解析を行った。
3剤に対する薬剤耐性細胞株を用いてmiRNAの発現をマイクロアレイにより解析した結果、共通して発現が増減するものやそれぞれの耐性株特異的に増減するmiRNAを見出すことができた。またすべての薬剤耐性株の細胞増殖能は顕著に減少していた。さらにいくつかの耐性株で遊走能や浸潤能が亢進することが分かった。スフェロイド形成能においては顕著に更新するものと減少するものがあり各耐性株で大きく差があった。これらの変化は薬剤耐性能獲得による悪性化が薬剤の種類によって異なることを示しており、今後の治療戦略の中での薬剤選択や再発の予測を考えるうえでの重要な結果である。さらにはこれらの各薬剤への薬剤耐性獲得や悪性化を生体内RNAであるmiRNAで制御することができる可能性が考えられる。本研究で見出されたmiRNAは耐性株の薬剤感受性を亢進させ、アポトーシスの誘導、遊走・浸潤能を顕著に減少させた。またこれらのmiRNAはすでに抗癌剤耐性に関与する遺伝子や癌の悪性化、癌幹細胞に関与する遺伝子を標的にすることが報告されている。
このようなことからmiRNAは今後の抗癌剤治療への新しい薬剤として応用できる可能性が推察された。さらに各薬剤で共通して発現が変動するmiRNA、または各薬剤特異的な発現をするmiRNAの標的遺伝子を同定することで薬剤耐性メカニズムを解明することが必要と考えられる。

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公開日: 2017-01-06  

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