研究課題
1.日本産科婦人科学会学術集会の専攻医教育プログラムにおいて「婦人科悪性腫瘍と血栓塞栓症」の講演を行った。本公演の聴衆は日本産科婦人科学会専門医専攻医が中心で術後症候性VTE予防の重要性と本研究の予防法の成果を内容に含め、症候性VTE予防に関する専攻医教育に役立った。2.本研究による術後症候性VTE予防法開始前の2004年11月から2009年7月までに婦人科悪性腫瘍患者527名に発生した術後症候性VTEの頻度は2.5%(13/527)であったが、本法を開始した2009年8月から2014年12月まででは0.4%(2/703)に減少しており、本予防法の有用性を探索的にはpositive dataとして報告できる準備が整った。3.本研究は、探索的な研究であり最終年度(H29年度)に可能であれば前方視的多施設共同研究で本VTE予防方の有効性を検証する臨床試験のプロトコールを作成することを目標としている。これに関し、一般社団法人北関東婦人科がん臨床試験コンソーシアム(GOTIC)内で「術前に無症候性VTEが発見された婦人科悪性腫瘍患者に対する術後症候性PE発症の総合的予防法に関する非ランダム化検証的試験」のコンセプトが承認され、現在フルプロトコールの作成中である。本試験の研究代表者は私が勤め、研究事務局は自治医科大学産科婦人科学講座の高橋詳史先生が務める予定である。本試験は目標症例数300例、症例集積期間:5年(2016年9月~2021年8月)、追跡期間はプロトコル治療終了後6ヶ月、総試験期間:5年8ヶ月を予定している。
2: おおむね順調に進展している
1.本研究成果に基づいて日本産科婦人科学会をはじめとした学術集会での講演などを通じ、婦人科悪性腫瘍治療時の周術期VTE予防法に関する啓蒙が出来ている。2.平成26年度には本研究に関連する報告を英文誌に行っており、平成27年度には次の報告のデータ収集がおおむね完了している。3.本研究を基にした前方視的臨床試験のフルプロトコールが完成に近づいており最終年度には試験を開始できる見通しが立っている。
1.今後も講演などを通じて周術期における症候性VTE(特に肺塞栓症)の予防の重要性に関する啓蒙と予防法の普及を行う。2.最終年度に英文誌に報告予定の本研究の直接的成果はデータ収集が順調で予定通り、もしくは1年前倒し出来るかもしれない。3.本研究を基にした前方視的臨床試験のフルプロトコール作成が本研究の最終目的であるが、GOTICの前方視試験はプロトコール審査委員会での承認を本年度中には得ることが出来る見込みで、本研究の目標を達成できると考えている。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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