本研究の目的は卵巣癌、子宮体癌、子宮頸癌患者の術後症候性静脈血栓塞栓症(VTE)予防法の確立である。治療前に無症候性も含めVTEのスクリーニングを行った。VTEが発見された場合、抗凝固療法を開始し、術式の再検討などを行った。術後は①リンパ節郭清を伴う手術を受けた患者、②BMIが28以上の患者、③VTEの既往がある患者、④血栓性素因がある患者、⑤治療開始前にVTEが発見された患者を対象とし抗凝固療法を行った。①ー⑤以外の患者は通常の治療を行った。術後症候性VTEを発症した患者の検討を繰り返し、研究開始当初約2.5%に見られた術後症候性VTEは現在約0.3%に減少した。
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