我々は子宮体癌と卵巣癌(特に明細胞腺癌)において、分子生物学的なサブグループおよび治療標的候補分子を同定し、新規分子標的治療薬の有効性について新たな知見を得た。 1. 子宮体癌、PI3K経路を阻害する薬剤の抗腫瘍効果を増強する治療法を探索し、MAPK経路阻害剤もしくは放射線照射との併用で、相乗的な効果が得られることを示した。PI3K/mTOR経路において、HIF-1α/VEGFの活性化が腫瘍増殖に重要であることを見出した。 2.卵巣明細胞癌において、ゲノム解析により予後不良なサブグループを明らかとした。MDM2高発現が予後不要因子であり、MDM2を阻害する治療薬が抗腫瘍効果を示すことを報告した。
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