研究課題/領域番号 |
26462520
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 英子 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院, 特任准教授 (10432262)
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研究分担者 |
柴田 清住 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90335026)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 絨毛癌 / hCG / 糖転移酵素 |
研究実績の概要 |
絨毛癌細胞株Jarに糖転移酵素GnT-IVa shRNAベクターを導入した細胞株(Jar/shGnT-IVa)とGnT-IVa過剰発現株(Jar/GnT-IVa)から、それぞれの培養上清を回収し、0:10~10:0の割合で混合し、抗hCG抗体とGSL-IIレクチンを用いたサンドイッチELISAを行ったがいずれの条件においても検出はできなかった。そこで、GnT-IVaの他の標的分子を見つけるため、Jar/GnT-IVaとコントロール細胞を用いたレクチンブロットを行った。DSAレクチンブロットでは80-100kDaの分子が、GSL-IIレクチンブロットでは約75kDaおよび35kDa以下の分子の糖鎖修飾が変化しておりこれらがターゲット分子である可能性が判明した。一方、GnT-IIIによる糖鎖変化を検出できるE4-PHAレクチンブロットでは変化は認められなかった。 GnT-IVaの標的分子検索のほかの方法として、GnT-IVaのプロモーター解析を利用することとした。転写因子cRelが発現調整に関与することが予想されたため、絨毛癌細胞株JarにcRelを発現抑制したモデルを作成した。cRel発現抑制により、細胞増殖および浸潤と遊走能が低下することを確認した。さらにcRel発現抑制有無により発現調整される分子検索のため、マイクロアレイ解析を行った。トロンボポエチン、細胞外基質であるテネイシン、ケモカインのCCL1やCCL14の転写レベルでの差が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗hCG抗体とGSL-IIレクチンを用いたサンドイッチELISAの確立が上手く進まなかったため、hCG以外の標的分子を検索することとしたため。
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今後の研究の推進方策 |
絨毛癌の新規腫瘍マーカー確立としてhCGの糖鎖およびhCG以外の分子の可能性を含めて、研究を進める。GnT-IVa過剰発現モデルによる糖鎖付加が亢進した分子を特定するために、DSAレクチンブロットとGSL-IIレクチンブロットのゲルを用いた質量分析法を追加する。また、絨毛癌の新規マーカーとなる分子の解明のため、cRel発現変化によるマイクロアレイの結果をin vivoおよびin vitroで確認する。
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