研究課題
平成28年度は前年度までの成果を裏付ける目的で、さまざまな化学療法が行われている自経験例の後方視的検討を重ねた。CPT-11とNDPを用いた術前化学療法を動注化学療法後の手術完遂度と比較検討し、治療奏功性は変わらず、副作用が動注化学療法や同時放射線化学療法よりも少なかったことから、CPT-11とNDPを用いた術前化学療法の妥当性を報告した(論文1)。安全性が示されたことで、治療対象を治療効果が高いものに絞ることができれば、個別化治療への道が拓ける。すなわち、前年までに報告した術前に治療効果を予測する前臨床的解析と組み合わせることで、さらにこの併用療法の妥当性を上げられることが期待される。また近年、CPT-11とNDP以外に奏功性の高い化学療法としてPTXおよびCBDCAの併用療法があるが、その奏功性にかかわる因子として治療前の貧血状態や前治療からの間隔があることを、日本臨床腫瘍グループ(JCOG)での多施設共同研究の参加施設として報告した(論文2)。さらに、PTXとCBDCAの併用療法から副作用による治療脱落を防ぎ、適切な治療効果を得るために制吐剤を活用する必要性について報告し(論文4)、ベバシズマブをさらに追加する治療経験についても卵巣癌症例を含め自験例をまとめて報告した(論文5)。化学療法の継続にあたっては、治療効果の評価も一つの重要な因子である。腫瘍内の活性をMRI画像で検討する目的でdiffusion強調画像の有用性を検討し、画像的バイオマーカーの検出に至ったことも報告した(論文3)。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件)
Magn Reson Med Sci.
巻: 16 ページ: 66-72
10.2463/mrms.mp.2015-0161.
Med Sci Monit.
巻: 23 ページ: 826-33
10.12659/MSM.899741
J Int Med Res.
巻: 44 ページ: 346-56
10.1177/0300060515591858.
Cancer Chemother Pharmacol.
巻: 78 ページ: 785-90
10.1007/s00280-016-3133-4.
産婦人科の進歩
巻: 68 ページ: 314-6