研究課題/領域番号 |
26462522
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 潔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90362730)
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研究分担者 |
松崎 慎哉 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00467565)
上田 豊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10346215)
高田 友美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30437420)
小林 栄仁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50614773)
藤田 征巳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい准教授 (60303963)
木村 敏啓 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教員 (90584524)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 婦人科腫瘍 / 子宮体癌 / CTOS / 播種 / バイオマーカー / YM155 |
研究実績の概要 |
子宮体癌の再発のうち特に腹膜播種の発生メカニズムを解析することを主目的として研究を開始した。解明のために以下の内容を平成27年度に計画し研究を行った。 ①子宮体癌組織から初代培養としてのCTOSが高率に作製されること ②作製したCTOSを用いて免疫不全マウスに腹膜播種を形成すること③播種を形成したCTOS と形成しなかったCTOS の間で発現蛋白を比較することによって播種形成に特異的なタンパクを選出し、その中からバイオマーカーを同定すること。このうち、①に関しては117例の子宮体癌からCTOSの作製を試みて109例(93%)に24時間後にCTOS形成が確認された。また、72例(62%)は2週間のCTOS培養が可能であった。②に関して、子宮体癌CTOSはマウスにおいて腹膜播種を形成する確率が低く、本テーマの研究を進めるためには腹膜播種を高率に生じる卵巣癌からCTOSを作製し研究に用いることを考えている。そののちに③の内容まで進むと考えている。①で作製した子宮体癌CTOSは薬剤感受性に利用可能であり、標準阻害剤キット(化学療法基盤支援活動より提供)を使用して子宮体癌CTOS 2症例における79種の薬剤感受性を検討した。その結果YM155(サバイビン阻害剤)がTypeIIの子宮体癌に有効であることを証明した。以上の結果を以下の論文に公表した。Cancer Sci. 2016 Jan 30. doi: 10.1111/cas.12898. PMID: 26825848
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者由来子宮体癌組織からほぼ100%に近い効率でCTOSの作製が可能となった。この部分に関しては予定通り進み、このCTOSを利用して薬剤スクリーニングを行い本研究の結果の一部としてその成果を以下の論文に公表した。Drug screening and grouping by sensitivity with a panel of primary cultured cancer spheroids derived from endometrial cancer.Kiyohara Y, Yoshino K, Kubota S, Okuyama H, Endo H, Ueda Y, Kimura T, Kimura T, Kamiura S, Inoue M.Cancer Sci. 2016 Jan 30. doi: 10.1111/cas.12898. [Epub ahead of print]PMID: 26825848
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今後の研究の推進方策 |
子宮体癌CTOSはマウスにおいて腹膜播種を形成する確率が低く、本テーマの研究を進めるためには腹膜播種を高率に生じる卵巣癌からCTOSを作製し研究に用いることを考えている。播種形成能の高い卵巣癌CTOSと低いCTOSのタンパク発現を比較しKeyとなる因子を同定することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度も引き続き物品購入を行う予定であるため、少額の残高は使い切らず繰り越しとした。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き必要物品を購入する予定である。
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