研究課題
H28年度の成果前年度までに確立した子宮体癌CTOS作成法を応用し最終的に119例中、70例(58.8%)が長期培養継続可能であった。その子宮体癌CTOSを用いた79種の分子標的薬スクリーニングパネルからeverolims、YM155が子宮体癌の増殖抑制に有効性を示した。複数症例のCTOSでのこれらの薬剤について感受性試験を行うと、症例間での感受性に差を見出した。すなわち耐性例と感受性例を区別することが可能であると考えた。これら薬剤感受性は、それぞれの標的であるmTORシグナル伝達経路の阻害や、survivinの発現との相関は認められなかった。しかしながらYM155において薬剤感受性と組織型や遺伝子変異との相関が示唆された。研究期間全体の成果子宮体がん初代培養細胞(CTOS)を用いて分子標的薬のスクリーニングを行い、既存の抗癌剤に耐性を示す漿液性癌、低分化型類内膜腺癌(いわゆるタイプII子宮体癌)に対してeverolims、YM155が有効である可能性を示した。具体的には子宮体がんの手術検体より初代培養細胞、CTOS(Cancer Tissue-Originated Spheroid)を作成し、これらのCTOSからxenograft tumorの形成が確認できた。これらのCTOSおよびCTOS由来xenografted 腫瘍は形態および免疫染色、遺伝子変異にいおいて元の癌の性質を保持していた。本研究においてCTOS法を用い高率に子宮体部がんの3次元初代培養を確立された。またこれらのCTOSを用いた薬剤感受性試験を複数例で大規模スクリーニングとすることで、バイオマーカーの検出に寄与する可能性がある。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Cancer Sci
巻: 17(4) ページ: 452-60
10.1111/cas.12898