本研究によって、卵巣摘出による性腺ホルモンの低下が感染ストレスに対する中枢組織の反応性を高め、発熱反応を増強することが明らかとなった。一方、心理ストレスに対する反応性は変化しなかったことから、性腺ホルモン低下に伴う変化は、負荷されるストレスの種類によって異なる可能性が示唆された。また、卵巣摘出による性腺ホルモンの低下が、感染ストレスに対するアディポサイトカインの反応性を変化させることが明らかとなった。アディポサイトカインが感染ストレス反応に関わることが明らかにされていることから、これらの変化がストレス反応の増強の一因を担うものと推察された。
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