研究課題/領域番号 |
26462527
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
濱田 雄行 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (90172973)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / 抗体 / リポソーム |
研究実績の概要 |
アデノウイルスは、陰性に荷電しており、陽性荷電のリポソームと陰性荷電のコンドロイチン硫酸を多重加工し、腫瘍特異的な抗体による感染抑制に影響されない腫瘍特異的アデノウイルス感染システムを構築するために研究を行った。陽性荷電リポソーム作成には、膜融合性脂質で電荷を持たない膜融合性脂質DOPE(L-dioleoyl phosphatidylethanolamine、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、陽性荷電脂質のDOTAP(1,2-dioleoyl-3-trimethylammonium-propane 、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン)、中性りん脂質でリポソーム安定作用を有するEPC(egg phosphatidylcholine、卵黄ホスファチジルコリン)を用いる。それぞれを種々の比率で配合し、陽性荷電のリポソームDOPE/DOTAP/EPC を作成しβ-gal 発現アデノウイルスAd-β-gal を包埋し、抗アデノウイルス抗体存在下でβ-gal の発現を見ることにより、DOPE/DOTAP/EPC の至適配合比率を決定した。24 well dishにA549細胞を20000/well撒き、抗体存在下で3日間培養し、X-galで染色し細胞のX-gal陽性率を検討した。溶媒について検討すると、水、5%糖腋、10mM HEPES, 5%糖腋+10mM HEPES等の比較を行うと、10mM HEPES+5%糖腋が最も良好であった。リポソームDOPE/DOTAP/EPCについては、それぞれ単体で用いると細胞のX-gal陽性率は不良であり、陽性荷電のDOTAPの代わりに陰性荷電のCHEMSを用いるとDOTAPより不良であった。濃度についても検討を行ったが、15mM以上の高濃度あるいは2mM以下の低濃度では不良であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
陽性荷電リポソーム作成には、膜融合性脂質で電荷を持たない膜融合性脂質DOPE(L-dioleoyl phosphatidylethanolamine、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、陽性荷電脂質のDOTAP(1,2-dioleoyl-3-trimethylammonium-propane 、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン)、中性りん脂質でリポソーム安定作用を有するEPC(egg phosphatidylcholine、卵黄ホスファチジルコリン)を用い、これにより抗アデノウイルス抗体による感染抑制が解除されることが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
至適配合比率をより詳細に決定する。アデノウイルスを被覆加工するに際し、反応時間の選択、溶媒の選択、マイクロミキサー・ボルテックス・スタラー・静置等の反応方法、反応容量・アデノウイルス濃度・リポソーム濃度等の反応至適条件の決定を行う。Ad-β-gal とDOPE/DOTAP/EPC との反応条件が決定した後、陰性荷電のコンドロイチン硫酸を付加し同様に反応条件の設定を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、動物実験を行う予定であったが、ポリマー加工を中心として行ったため、動物実験が必要と無くなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
リポソームとコンドロイチン硫酸その他のポリマーや低分子物質のオンコリティックアデノウイルスの多重加工処理技術の確立を図り、さらに、動物実験も追加可能となるようにする予定。
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