研究課題
陽性荷電のリポソームDOPE/DOTAP/EPC を作成しβ-gal 発現アデノウイルスAd-β-gal を包埋し、抗アデノウイルス抗体存在下でβ-gal の発現を見ることにより、DOPE/DOTAP/EPC の至適配合比率を決定した。24 well dishにA549細胞を20000/500ul/wellで撒き、抗アデノウイルス抗体存在下で3日間培養し、X-galで染色し細胞のX-gal陽性率を検討した。溶媒について検討すると、水、5％糖腋、10mM HEPES, 5%糖腋＋10mM HEPES等の比較を行うと、10mM HEPES+5%糖腋が最も良好であった。リポソームDOPE/DOTAP/EPCについては、その比率を40％、55％、5％で8mMの濃度が最も良好な抗体存在下での感染効率を示した。量的比率に関しては、Ad-β-gal を1000MOI 15ulにリポソーム10ulを加えるのが最も良好であった。腫瘍特異性を持たせるために、軟骨等の生体内物質のポリマーで、陰性荷電を有しその受容体がCD44で腫瘍特異性を有するコンドロイチン硫酸を用いて検討した。Ad-β-gal/1000MOI 15ul-リポソーム10ulにコンドロイチン硫酸5mMを１ul加えると、非添加時に比べ抗体存在下における感染効率が10倍に増加した。コンドロイチン硫酸の陰性荷電は、生体内物質であるため弱く、リポソームの陽性荷電を十分に中和していない可能性があるため、さらに、強い陰性荷電を有するヘパリンの添加を行ったところ、さらに、感染効率が3倍増加した。
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Molecular Therapy-Oncolytics
巻: 3 ページ: 1-9
10.1038/mto.2016.22
