研究課題
前癌病変および癌組織に感染しているHPV型判定を行う場合、子宮頸部擦過細胞を検体として用いると病変を形成していないHPV感染も検出されてしまう可能性がある。結果として複数のハイリスクHPV型のDNAが検出されることも多く、病変形成に関わった真のHPV型の同定が困難である。そこで、既に診断の得られている子宮頸部腫瘍のホルマリン固定パラフィン包埋組織検体(FFPE)からHPV型を同定し、この結果を従来から行われている頸部擦過細胞検体から得られたHPVの型判定と比較することで、既存の方法による型判定との違いを検証した。型判定法については擦過細胞を用いたクリニチップ法(C-chip)と擦過細胞とFFPEを用いたPCR-MGP法を採用する。合計3つの解析結果を照合し、方法の違いによるHPV型判定の違いを比較した。HPVの型が複数検出される場合には既報の方法によるhierarchical attribution法およびproportional attribution法にて解析した。3つの方法では、全体の一致率は88.5%-92.1%であった。型別一致率は83.9%-100%であった。CIN3の病変において、HPV16/18/31/33/45/52/58型の寄与する割合はC-chip法で96.4(53/55)、C-MGP法で89.1%(49/55)、F-MGP法で94.5%(52/55)であった。F-MGP法C-chip法、C-MGP法で分析し、hierarchical attribution法を用いて統計解析することで、C-chip、C-MGP、H-MGPといった3つの手法間に統計学的な有意差がないことが分かった。C-chip、C-MGP法は簡便であり、統計処理を行うことで集団におけるHPV型判定と感染予防ワクチンの効果を推定することが可能となった。
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