癌細胞は生体内で最も適応しており、その環境外では増殖することが困難である。癌の微小環境を生体外で再構築することは未だ困難である。シャーレ内や実験動物で癌の微小環境を再構築することができれば、その系を用いて癌研究の新たな解析が可能となり、独創的な治療法の開発につながる。今回、子宮頸癌の微小環境に最も多く存在する線維芽細胞(以下、CAFと略す)を子宮頸癌細胞ME180と共にヌードマウス皮下に移植することにより、ME180の単独移植では生じないリンパ節転移を40%という高い確率で起こすことに成功した。CAFと共存させることにより癌細胞のみでは認められなかった子宮頸癌の生物学的性質が再現できた。
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