全身投与されたアミノグリコシド系抗菌薬(AG)は内耳有毛細胞に取り込まれ難聴を引き起こすが、生体内におけるAGの有毛細胞への進入経路の詳細は解明されていない。Texas-Red 標識ゲンタマイシン(GTTR)を全身投与した際に、MET欠損マウスであるTmc1;Tmc2 ダブルノックアウトマウスの有毛細胞へのGTTRの取り込みは、野生型に比較し有意に少なく、またダブルノックアウトマウスをバックグラウンドにTMC1をモザイク状に発現させた感覚上皮では、モザイク状の取り込みを認めたことから、全身投与したアミノグリコシド系抗菌薬の有毛細胞への主な進入経路は MET チャネルであると考えられた。
|