加齢性難聴は加齢により発症し徐々に進行する難聴で、人類でもっとも多い慢性疾患のひとつである。加齢に伴い脳血管障害も増加するが、これらの関係が明らかになれば、血管障害障害の予防が、難聴の予防、進行の抑制する可能性が考えられる。さらに高次機能である認知症との関係が明らかになれば、超高齢化社会の日本において果たす役割は大きい。 今回の検討で、モデルマウスとヒト疫学研究から、加齢性難聴と脳血管障害に明らかな関係は認められなかった。さらにアルツハイマー病の危険因子とされるApoE4の存在も聴力には影響はなかった。しかし、認知機能の低下については強い相関をみとめ、今後の解析の糸口になったと考えられる。
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