めまいや動揺病は、前庭覚・視覚・体性感覚の3つの感覚入力が、過去の経験に基づく予測入力パターンとの不一致(感覚混乱)した際に認知されると考えられている。今回、動的体平衡検査装置にて直立姿勢保持中に生じた感覚混乱による大脳皮質活動の変化を機能的近赤外線分光法(fNIRS)を用いて計測した。前庭覚に対して視覚および体性感覚入力が混乱する条件ではシルビウス裂周囲の脳領域と補足運動野が賦活化された。fNIRSで特定された大脳皮質領域間の機能的結合よりシルビウス裂周囲の脳領域と服属運動前野では感覚混乱の検出と直立保持に必要な感覚入力の寄与度の再調整がおこわなれている可能性が示唆された。
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