研究課題
前年度から開始していた、申請者らが確立した新生児期蝸牛破壊モデル(ラット)を用いて、脳幹部聴覚中枢核の興奮性ニューロンの発生学的な変化(再構成)について検討した。新生児期に一側の蝸牛を機械的に破壊したのち、蝸牛神経核、上オリーブ核群におけるVGLUT1(Glutamate transporter 1)の発現の変化を検討した。その結果、一側の蝸牛破壊によって同側ばかりではなく、従来知られていなかった反対側の変化も見られることが明らかとなった。本研究結果を英文誌に投稿、受理された。(The effects of unilateral cochlear ablation on the expression of vesicular glutamate transporter 1 in the lower auditory pathway of neonatal rats. Auris Nusus Larynx 2017)また、正常動物の脳幹部聴覚中枢核にみられるマイクログリアの発生学的な変化についての検討を行い、ラットの蝸牛神経核における、Ionixed calcium binding adaptor molecule-1 (Iba-1) の変化を検討した。その結果、ラットのHearing onsetである生後10日目頃にIba-1の著名な一過性の増加が認められることが明らかとなった。マイクログリアは神経細胞が障害を受けた場合には、壊れた神経細胞を貪食して周囲環境を整える働きがあるが(スカベンジャー機能)、発生の過程でも過剰に存在する神経細胞を減らして、神経回路の整理整頓を行う機能があるとされる。この際に聴覚入力がマイクログリア活性化の引き金となったのか、マイクログリアによる整理によってHearing onsertが起こるのかについては、次の研究課題である。
3: やや遅れている
研究の結果は概ね出たが、英文誌での採択が4月にずれ込んだ。さらにもう一編は投稿中である。
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すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件)
Auris Nusus Larynx
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.anl.2017.01.007.
Acta Otolaryngol Case Report
巻: 1 ページ: 102-105
10.1080/23772484.2016.1247648
Int J Pediatr Otorhinolaryngol
巻: 91 ページ: 159-165
10.1016/j.ijporl.2016.10.029
巻: 該当なし ページ: 該当なし
10.1016/j.anl.2016.10.002.