申請者らが確立した新生児期蝸牛破壊モデル(ラット)を用いて、脳幹部聴覚中枢核の興奮性ニューロンの発生学的な変化(再構成)について検討した。新生児期に一側の蝸牛を機械的に破壊したのち、蝸牛神経核、上オリーブ核群におけるVGLUT1の発現の変化を検討した。また正常動物の脳幹部聴覚中枢核にみられるマイクログリアの発生学的な変化についても検討を行った。マイクログリアは神経細胞が障害を受けた場合には、壊れた神経細胞を貪食して周囲環境を整えるスカベンジャー機能があるが、発生の過程でも過剰に存在する神経細胞を減らして、神経回路の整理整頓を行う機能があるとされる。
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