ティンパノメトリーによる鼓膜のインピーダンス測定は、中耳滲出液貯留を簡便に検出する検査法である。通常226Hzのプローブ音を用いるが、乳幼児には1000Hzが有用であるとされており、局所所見を取るのが困難な児にも推奨されている。当研究では乳幼児253耳に1000Hz、226Hzティンパノメトリーを実施し、臨床データと併せて有用性を検討した。1000Hzティンパノメトリーの感度84.6%、特異度62.3%であり、226Hzよりも感度は高いが、特異度は低い結果であった。乳幼児の滲出性中耳炎の診断には1000Hzティンパノメトリーだけでなく局所所見や検査データも考慮し、評価すべきである。
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