我々は長期生存が可能な一過性内耳虚血モデルを確立して、虚血性内耳障害に対する新しい治療法の開発の面より、虚血性内耳障害に対する神経幹細胞の有効性について研究を進めてきた。 今回の研究として、虚血後に下大静脈より神経幹細胞を投与した群では、有意に内有毛細胞の脱落変性と聴力域値上昇が抑制されていた。さらに、神経幹細胞を全身投与した群では、内耳虚血障害後に生じる障害増悪因子であるNOxの発生も有意に抑制されていた。以上の結果より、虚血後の全身投与による神経幹細により虚血性内耳障害が抑制され、その機序として内耳虚血障害後に生じる障害増悪因子の一つであるNOxの発生を抑制を介することが明らかとなった。
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