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2017 年度 実績報告書

軟骨伝導補聴器の音伝導効率の向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26462564
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

西村 忠己  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60364072)

研究分担者 細井 裕司  奈良県立医科大学, 医学部, その他 (80094613)
下倉 良太  国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90455428)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード外耳道閉鎖症 / 骨導補聴器 / 補聴器 / 軟骨伝導 / 小耳症
研究実績の概要

軟骨伝導補聴器を実用化するための臨床試験を実施し、良好な結果を得ることができ、2017年7月にPMDAで承認が得られ、11月に市販化された。臨床試験では補聴器の効果を高めるためよりより音の伝導が得られる条件について検討してきた。被験者の耳の形状は様々でありそれぞれの被験者にあった振動子の作製が重要であることが分かった。振動子の形状としては耳の形を採取しシェルを作製する場合と振動子のみで両面テープを用いて固定する方法があるが、今回の検討では振動子が軽量である方が、高出力が得られより高い効果が得られることがわかった。しかしながら振動子の固定の簡便さ、安定性を考えると可能な例ではシェルを作製し外耳の凹みに振動子を挿入して固定する方が実用性が高いと思われる。このような場合でも可能な限り振動子の質量を減らせるように形状の最適化を図る必要が有ることが分かった。また振動子の振動面による影響について検討すると振動面が内耳を向いている場合と直行する場合では有意に聞こえに差があることが分かった。固定による安定性を優先するあまり振動面が内耳の方向から極端にずれないように注意が必要であることが判明した。また振動子の固定部位について検討した。振動子を軟骨上に置く場合と乳突部に置く場合を比較すると低音域で軟骨上に置いた場合の方が有意に聴力が良いことが判明した。中音域は差が無く、8kHzでは乳突部に置いた方が有意に閾値は低かったものの、この周波数は会話音域から外れており、補聴器装用の目的を考えると軟骨に音を伝えることの有用性が確認できた。このように細部まで検討を加えていくことで骨導補聴器に遜色のない効果が得られることが判明した。自覚的な評価では骨導よりも優れた評価が得られ、骨導補聴器を装用していた両外耳道閉鎖症では90%以上の症例で軟骨伝導補聴器装用の継続を希望した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Cartilage Conduction Hearing Aids for Severe Conduction Hearing Loss2018

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Tadashi、Hosoi Hiroshi、Saito Osamu、Shimokura Ryota、Yamanaka Toshiaki、Kitahara Tadashi
    • 雑誌名

      Otology & Neurotology

      巻: 39 ページ: 65~72

    • DOI

      10.1097/MAO.0000000000001644

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Autocorrelation factors and intelligibility of Japanese monosyllables in individuals with sensorineural hearing loss2017

    • 著者名/発表者名
      Shimokura Ryota、Akasaka Sakie、Nishimura Tadashi、Hosoi Hiroshi、Matsui Toshie
    • 雑誌名

      The Journal of the Acoustical Society of America

      巻: 141 ページ: 1065~1073

    • DOI

      10.1121/1.4976064

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Perception of speech in cartilage conduction2017

    • 著者名/発表者名
      Miyamae Ryosuke、Nishimura Tadashi、Hosoi Hiroshi、Saito Osamu、Shimokura Ryota、Yamanaka Toshiaki、Kitahara Tadashi
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 44 ページ: 26~32

    • DOI

      10.1016/j.anl.2016.03.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 質問紙を用いた軟骨伝導補聴 器の自己評価2017

    • 著者名/発表者名
      下倉良太,細井裕司,西村忠己,斉藤 修,北原 糺
    • 雑誌名

      Audiology Japan

      巻: 60 ページ: 168~176

    • 査読あり
  • [学会発表] 高齢化社会と難聴2018

    • 著者名/発表者名
      西村忠己
    • 学会等名
      第7回最先端聴覚セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 軟骨伝導補聴器の主観的評価2017

    • 著者名/発表者名
      西村忠己、細井裕司、下倉良太、北原 糺
    • 学会等名
      第118回日本耳鼻咽喉科学会総会
  • [学会発表] 両先天性外耳道閉鎖症での軟骨伝導補聴器と骨導補聴器の比較2017

    • 著者名/発表者名
      西村忠己、細井裕司、斉藤修、北原 糺
    • 学会等名
      第27回日本耳科学会総会
  • [学会発表] 軟骨伝導補聴器の開発(第17報)―振動子を軟骨上に固定することによる閾値への効果―2017

    • 著者名/発表者名
      西村忠己、細井裕司、斉藤修、下倉良太、山中敏彰、北原 糺
    • 学会等名
      第62回日本聴覚医学会総会・学術講演会
  • [学会発表] 軟骨伝導補聴器の臨床研究2017

    • 著者名/発表者名
      西村忠己
    • 学会等名
      日本音響学会2017年春季研究発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] 軟骨伝導補聴器の話題2017

    • 著者名/発表者名
      西村忠己
    • 学会等名
      第11回徳島耳鼻咽喉科外来診療研究会
    • 招待講演
  • [図書] JOHNS 軟骨伝導補聴器2017

    • 著者名/発表者名
      西村忠己,細井裕司
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      東京医学社

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公開日: 2018-12-17  

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