先天性高度難聴児は幼少児期に末梢平衡機能にも障害を伴う頻度が極めて高いことが知られている。本研究では難聴モデルマウス前庭、特に世界で最も高頻度に発生するGJB2変異難聴の遺伝子改変モデルマウスの形態・機能評価と前庭を標的とした遺伝子治療の効率的な投与法の検討を行った。標的とするCX26変異難聴モデルの前庭組織の形態学的解析を行い、これらの難聴モデルに対し、正円窓経由・半規管経由の注入法で、GFPを発現するアデノ随伴ウイルスベクターを投与した。その結果、新たに行った半規管経由のウィルス液還流法により正円窓経由と同等またはそれ以上の前庭細胞への遺伝子導入効率が確認された。
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