本臨床研究は、従来の中耳手術(鼓室形成術)後に鼻腔粘膜上皮細胞シートを移植して正常な粘膜を早期に再生させ、真珠腫性中耳炎の再発や鼓膜の再癒着を防止し、難治性中耳疾患に対する手術成績の向上を目指すものである。選定基準に基づき5人の被験者を選定し,適合性を確認した後に鼻腔粘膜上皮細胞シート移植を施行した。移植後6ヶ月以上が経過し、CTを施行した弛緩部型真珠腫症例では、細胞シートの移植した部位に一致して中耳腔、乳突腔の含気化が始まり、 CT所見で非常に良好な含気化が確認され、理想的は術後形態が得られた。現在までのところ全ての症例で術後経過は良好である。
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