人工内耳使用経験が長いほど起こりやすいが、両側人工内耳使用小児で後発手術側でも聴覚統合が生じたことは、年齢や使用経験期間より語音弁別の明瞭度の要因の寄与の方が大きいことを示す。また、初回手術側人工内耳からの音刺激条件と、両側人工内耳からの音刺激条件では反応に有意差が見られず、両耳で人工内耳を使用している高度難聴小児の視聴覚統合は初回手術側からの入力を基盤にして惹起されていると考えられた。先天性高度難聴小児が音声言語を習得し、日常的に使用して成長する過程では、特に訓練等を行わなくても自然に視聴覚統合の神経機構も発達すると推測される。
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