研究課題/領域番号 |
26462576
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
岸部 幹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80447101)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | NK/T細胞リンパ腫 / 悪性リンパ腫 / EBV / CD70 |
研究実績の概要 |
SCIDマウスに鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株を移植し、腫瘍異種移植マウスアッセイを行ったところ、腫瘍細胞の生着が見られなかった。そのため、NOGマウスを用いて腫瘍異種移植マウスアッセイを行う方針となった。NOGマウスは、SCIDマウスより、より厳しい飼育 環境が必要であり、NOGマウスの飼育環境について整備工事を施行し、実験環境を整えた。NOGマウスに鼻性NK/T細胞リンパ腫の細胞株であるSNK-6を皮下に接種したところ、皮下に腫瘤が形成されるのが確認された。この形成された腫瘤は経時的に増大し、腫瘍を摘出して病理組織学的な検討を行ったところ、多形性に富んだ大小不同の腫瘍細胞で形成されており、形態学的に鼻性NK/T細胞リンパ腫患者組織に認められる腫瘍細胞と矛盾しない所見であった。さらに、全腫瘍細胞でEBERが強陽性であり、NOGマウスに移植してもEBウイルス感染が持続していることが確認された。今後、生着した腫瘍についてin vitroでの結果と同様に、移植腫瘍でもCD70の発現がみられるかフローサイトメトリーにて確認し、実験を進めていく。また、腫瘍異種移植マウスに抗CD70抗体を投与し、腫瘍サイズ、個数が減少するか否かを検討する。また抗CD70抗体の濃度を変えて投与し、高濃度のものを与えた時の治療効果についても考察する。また、本腫瘍ではカルボプラチンを主体とした多剤併用化学療法がこれまでに行われている。抗CD70抗体単独で劇的な治療効果が得られない場合、化学療法併用での抗体療法の効果も検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SCIDマウスに鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株を移植し、腫瘍異種移植マウスアッセイを行ったところ、腫瘍細胞の生着が見られず、NOGマウスに移植することが必要となった。NOGマウスを飼育するためには、飼育環境の整備が必要なため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、NOGマウスに生着した腫瘍についてin vitroでの結果と同様に、移植腫瘍でもCD70の発現がみられるかフローサイトメトリーにて確認し、実験を進めていく。また、腫瘍異種移植マウスに抗CD70抗体を投与し、腫瘍サイズ、個数が減少するか否かを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
SCIDマウスに鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株を移植し、腫瘍異種移植マウスアッセイを行ったところ、腫瘍細胞の生着が見られず、NOGマウスに移植することが必要となった。NOGマウスを飼育するためには、飼育環境の整備に時間を要した。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、NOGマウスに生着した腫瘍について実験を進めていく。
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