マクロライドの少量長期投与はびまん性汎細気管支炎や慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎に効果的であるが、その機序はまだ十分解明されていない。MKP-1は最近ステロイドなどの抗炎症薬の効果にかかわっていることが報告されているが、ムチン遺伝子発現に対しては不明である。今回我々はクラリスロマイシンにてMKP-1発現が亢進することを明らかにした。またクラリスロマイシンはp38シグナルを介してMUC5AC遺伝子発現を抑制することも示した。今回の結果はマクロライドの効果におけるMKP-1の新しい役割を明らかにムチン過分泌に対する創薬に貢献するものと考える。
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